回顧録#03: サイマルアカデミーの通訳クラスと仕事の両立

回顧録#03|クラス構成と社会人の学習時間術 通訳学校体験記

現役社内翻通訳者のYです。<詳しいプロフィールはこちら>
通訳学校での学びや日々の奮闘を、実体験を交えて綴る「通訳学校回顧録」シリーズをお届けしています。

記事の概要

今回は、サイマルアカデミーの通訳クラスの仕組みと、仕事と両立しながら通う社会人
にとっての学習スケジュールについて、現時点での経験を基にお話ししたいと思います。

クラスの概要と開講時期

サイマルアカデミーの通訳クラスは、4月期10月期に開講されます。それぞれの期間は約4か月間で、4月期はGW、10月期は年末年始に休みが挟まれます。

供されている通訳クラスは全部で7つ。以前は通学スタイルのライブ授業形式だったようが、コロナ禍以降の通訳クラスは、オンライン開催が基本のようです。私もこの記事を書いている現時点では、すべてオンラインで受講しています。

通訳準備
逐次通訳クラス(通訳I、通訳II、通訳III、通訳IV)の4クラス
同時通訳クラス会議通訳I、会議通訳II)の2クラス

サイマルアカデミーでは、

通訳準備クラスで、本格的な通訳基礎訓練を開始前に必要な英語運用能力を鍛え、
通訳I(IC1)通訳II(IC2)通訳基礎訓練を通して逐次通訳の基礎を固め
通訳III(IC3)通訳IV(IC4)逐次通訳技術を完成させ、
会議通訳I(IS1)会議通訳II(IS2)同時通訳技術を習得する

という段階的カリキュラムが整えられています

まさに「学習」から「訓練」へ、そして「実践」へと進む一本道。
各段階で求められる力と課題は大きく違ってきます。


受講人数は期やクラスによって異なります。各期に開講されるクラス数は公式に公開されていますが、実際に中に入ってみると、その数字以上の意味を帯びて見えてきます。通訳準備クラスや基礎訓練(IC1・IC2)では比較的多くの受講生が集まり、10名以上のクラスになることが多いようです。

一方で、IC3、IC4クラスへと段を上るにつれ、人数は次第に少なくなっていきました。人数の減少は、同時に授業の空気を一層張り詰めたものに変えていきます。

少人数ゆえの緊張と濃さ――授業はより密度を増し、講師からの指導も一人ひとりに深く届くようになります。その空気感は、単なる人数の推移を超えて、「学びの段階ごとに求められるものが変わっていく」ことを静かに物語っているようでした。

平日と土曜日クラスのスケジュール

この記事を書いている時点での傾向では、準備科と逐次通訳クラスには平日クラスと土曜日クラスがあり、平日クラスは2時間の授業が基本です。

私はこの記事作成時点で、土曜日クラスしか受講したことがありませんが、土曜日クラスは4時間の授業が特徴です。

土曜日クラスは主に下記の2つです。

10:00-15:00クラス (12:00-13:00 休憩)
15:30-20:00クラス (17:30-18:00 休憩)

授業の進行や講師によって多少の違いはありますが、土曜日クラスでは授業の前半・後半それぞれ1時間ごとに10分ほどの短い休憩が入りますいずれにしろ、土曜日クラスは長丁場です。

私は土曜日クラスを受講していますが、非常に濃厚な授業が展開されます。講師や授業内容にもよりますが、初見の通訳を行った後、同日に同じ部分をもう一度通訳するといった反復練習が含まれることが多い印象です。

授業はどの回も濃く、密度の高い時間が流れ、授業が終わる頃には、頭の奥がじんわりと重くなるような疲労感が残ります。ですので、休憩時には食事をしっかり摂るようにしていますが、言葉を出す気力も薄れ、脳が疲れているのを実感します。

受講クラスについて

平日・土曜日クラスの数は、その期の申込者数や講師の都合によって変動します。前期には土曜日クラスがあったレベルのクラスが、今期は平日クラスしか提供されていなかった、ということもありました。

また、申込時には開講予定だったクラスも、最小申込者数に達しない場合は開講されないこともあります。私自身、土曜日の午後クラスを希望したものの、申込者数が足りず、土曜日の午前クラスに振り分けられた経験があります。

さらに、上のクラスに進むにつれて選択肢は限られてきます。逐次通訳クラスの上のレベル(IC3、IC4)はそれぞれ2クラスほどしか開講されません。同時通訳クラス(IS1、IS2)はそれぞれ1クラスのみという傾向です。

このように、希望する曜日・時間のクラスが必ずしも開講されるとは限りません。そのため、希望クラスではなく、他のクラスに振り分けられた場合、仕事との両立や予習・復習の時間をどう確保するか、事前にしっかりと計画を立てておくことが非常に重要です。初回のクラスから予習や課題が盛りだくさんなので、授業が始まってからでは考える余裕はありません。

現役プロ2名体制の魅力

私は他の通訳学校に通った経験がないため、比較はできませんが、サイマルアカデミーで特に良いと感じている点の一つが、担当講師が2名体制であることです。

クラスの講師はどちらも現役のプロ通訳者として第一線で活躍されている方々です。これまでに私が受講したクラス担当の講師は皆、ご自身もサイマルアカデミーの卒業生でした。そのため、ご自身の学生時代の勉強法や、実際の現場での経験談を共有してくださいます。

また、2名の講師から指導を受けられることで、様々な表現方法やアプローチを学べる点も大きなメリットです。

これは私の個人的な想像ですが、講師陣は「アメとムチ」のペアを組んでいるように感じます。

一人は愛のある厳しさで気を引き締めさせてくれ、もう一人は優しく励まして「頑張れ!」と応援してくれるような、絶妙なバランスです。この組み合わせが、モチベーションを保ちながら成長を続けさせてくれるのかもしれません。

社会人受講生のための学習時間術

参考までに、私がどのように勉強時間を確保しているかをご紹介します。

週末の集中学習
通訳準備からIS2までは予習復習をしっかり行っています。土曜日午前クラスの授業が終わった後は、その日の復習に集中。分からなかったところや、講師・他の方が使っていた表現のメモをまとめました。

日曜日は、通訳練習も含めた土曜日の復習に加えて、予習資料があれば次回の予習にも着手し、週末にできることをまとめて済ませています。可能な限り、特定トピックスの調べものは、週末に対応するようにしています

平日のスキマ時間を有効活用
平日は、始業1時間前に出社し、50分ほどの時間をたとえば、週末に日英両方で調べた内容をWordなり、PDF化しておき、その内容を読んでマーキングするなど、予習・復習に充てています。

電車での通勤時間も活用しています。主にポッドキャストで日英のニュースを聞くのがメインですが、資料の読み込みが出来るときは、電車内でもしています。

また、お昼休みは前半30分で昼食を済ませ、残りの30分を学習時間に充てるなど、スキマ時間を絞り出しています。

帰宅後は正直、疲れて何もする気が起きないので、朝活や通勤、お昼休みといった細切れの時間を最大限に活用しています。

さいごに

振り返って思うのは、複数の講師の異なる考え方やアプローチに触れられることが、通訳学校ならではの財産だということです。

自分に合う・合わないはあっても、その多様さを吸収できれば、確実に視野は広がります。限られた時間からより多くを吸収できるということです。

学習の中でも、この「異なるやり方を比較し、使える部分を自分の型に落とし込む」という姿勢は、成長を実感できる瞬間につながっています。

次回の回顧録では、通訳学校に通う上での心構えについて、さらに深く掘り下げていきたいと思います。



このブログを書いている人

現役社内通訳者として、サイマルアカデミーで学んだ日々を「回顧録シリーズ」として記録しています。
授業での体験や葛藤、成長の過程を率直に記録しています。
同じように通訳を目指す方に「リアルな声」として参考になれば幸いです。

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